現在の構造設計技術の基礎になっている解析の方法は、伝統建築に対しても適用できます。それは、ガリレオ、ニュートン以来の近代科学が、自然現象にしろなんらかの物体のしくみにしろ、それらを分析と総合により解明しようとして発展してきたものなので、その一分野である構造解析の方法も、現代的な建物であれ伝統的な建物であれ、構造を解明するために適用することが可能だからです。このような、伝統構法に対する現代構造解析の適用は、すでにいくつも試みられています。
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さきに紹介した唐招提寺金堂に対しても、竹中工務店の技術陣によって構造解析がおこなわれています。ただし、ここでひとつの問題があります。それは解析のためには、さまざまなデータが必要ですが、伝統構法に対しては、それがまだ微々たるものであることです。わたしたちの研究室でも、そのための実験をいくらかはやっていますが、今後は、伝統構法の材料や部分に関するデータを、もっと大量に蓄積することが必要です。